キラキラした看護
大久保 暢子(おおくぼ・のぶこ)
1996年に3年次編入学で聖路加看護大学に入学した私は(当時、看護系短期大学卒業生対象の3年次編入学制度が聖路加看護大学にあった)、基本的な看護をすでに短期大学で修得していたが、本学で学ぶ看護の授業はとても新鮮で刺激的だった。基礎看護学では「看護とは何か?」を討論したり、地域看護学では中央区を自転車で回って地区診断をした。母性看護学では出生前診断についてデイベートをしたり、成人看護学では危機ストレス理論を徹底的に学んだ。精神看護学では現象学の素晴らしさを体感した。
印象的だったのは、どの教員も要所に英語の単語を含めて語るところであった。グループワークが多いことから遊ぶ時間、寝る時間もないほど予習したことも覚えているが、どの科目も短大では学ばなかった内容が授業に盛り込まれていて、学ぶ看護の内容と教える教員がキラキラしている印象を持った。授業の中で「ベッドの反対側に行く時は、患者のベッドの頭の方を歩かず、足の方を歩くこと、ケアをする時は患者に看護師の背中やお尻を見せるような姿勢になってはいけない、床に膝を着けてはいけない」など看護のマナーも教わり、品位ある看護を改めて学ぶことができた。
そして度肝を抜かれたのは週3日英語の授業があり、それは毎回テストで始まり、点数が低いと補講授業となり、本当に大変だったことを記憶している。しかし英語を学ぶことで看護の世界が広がることも教わり、看護教員になった今では、それが自身の礎になっていると感じている。
教科書や有名な看護学雑誌で拝見する著名な看護教員と直接話せることも刺激的だった。看護の最先端の先生が、看護について何を考えているのかを知りたくて、教員の研究室を訪ねたり、教員主催の勉強会に参加したりした。また、在学中に全国ネットのテレビ番組「白衣の天使 熱血24時」の取材が大学内であった。入学前にテレビで見ていた番組だったため、直接、その取材を見学できたことにとても興奮した。「有名な大学は違うな~」と本当に心の底から思った。
3年次編入生にとっての聖路加看護大学での生活は、水辺に光がさして眩しく光るような、キラキラした時間だった。新鮮で刺激的な授業内容とそれを醸し出す教員に囲まれたことで、キラキラした看護と時間を過ごせたことは一生の財産である。
Class of 1998。3年次編入21回生。聖路加国際大学教員(ニューロサイエンス看護学)。2006年大学院博士課程修了。